小説論・技術論部門

 

文章構成について説明している本の紹介

新版 シナリオの基礎技術 ダヴィッド社 新井一 著

 人物描写、文の構成を中心に創作のための技術が紹介されています。大変読みやすい文体で書かれており、このような類の本を初めて読む人にも、取り掛かりやすい本だと思います。

新版 小説を書きたい人の本 成美堂出版 校條剛 監修 誉田龍一 著

 小説を書くコツをコンパクトにまとめてくれている本です。例文などはありませんが、簡潔なので、小説を書きたいのに何をしていいかわからないという人にお勧めです。

キャラクターからつくる物語創作再入門 フィルムアート社 

                    K・M・ワイランド 著 シカ・マッケンジー 訳

テーマからつくる物語創作再入門 フィルムアート社

                    K・M・ワイランド 著 シカ・マッケンジー 訳

アウトラインから書く小説再入門 フィルムアート社

                    K・M・ワイランド 著 シカ・マッケンジー 訳

ストラクチャーから書く小説再入門 フィルムアート社

                    K・M・ワイランド 著 シカ・マッケンジー 訳 

 この四冊は、小説をある程度の形まで書けるようになったのに、なぜかうまくいっていないように感じる。そんな人にお勧めと思われます。小説の書き方に正解はないといわれていますが、小説の書き方の「型」を幾つか知れば、それを土台として、作り方の幅が広がり、創作ができるようになっていくのではないのでしょうか。弘前文学学校の過去の講義で取り上げられた内容も載せられているので、復習にも役に立つと思います。

マナーはいらない 小説の書き方講座 集英社 三浦しをん 著

 小説家・三浦しをんさんが、小説を書く際の自分のやり方を例に、小説の書き方を手ほどきしてくれています。語りかけるような文体で大変読みやすいです。講義で井上先生が紹介してくれました。

 

文章の表現の仕方、テクニックなどについて説明している本の紹介

感覚表現辞典 東京堂出版 中村明 編

人物表現辞典 筑摩書房  中村明 編

感情表現辞典 東京堂出版 中村明 編

 この三冊は、小説中の上手な表現を抜き出し、紹介しています。有名な作家さんたちの言葉の組み合わせの妙に触れることができる辞典です。

センスをみがく文章上達事典 東京堂出版 中村明 著 

 実際に書く言葉とは、普段私たちが使っている言葉とは異なります。人に自分の思っていることをどうすれ  ば上手く伝えられるのか、文章を書くための技術が紹介されている本です。

小説の技巧 白水社 デイヴィッド・ロッジ 著 柴田元幸・斎藤兆史 訳

  50の例文が載せられ、その小説のテクニックを紹介・解説している本です。難易度はやや高め。

 

文章理論について説明している本の紹介

超入門! 現代文学理論講座 ちくまプリマ―新書 亀井秀雄 監修 蓼沼正美 著

 文学理論って難しそう。堅苦しいよね。そんなイメージをこの本は取り払ってくれます。感覚だけでなく、小説の理屈から知りたい、でも難しい本はちょっとという人にお勧めです。

ナラトロジー入門 水声社 橋本陽介 著

 この本は、小説の文章が、どのような働きを持っているのかについて、多くを説明しています。会話文、地の文はどのような働きをしているのか、「作者」と「小説の語り手」の違い、一人称の文と三人称の文の違い、視点の設定による違いなど、小説を書く際に注意すべき点が挙げられています。多少難しい本でもありますが、購入して損はない一冊と思われます。

天気の良い日は小説を書こう(ワセダ大学小説教室) 集英社文庫 三田誠広 著

深くておいしい小説の書き方(ワセダ大学小説教室) 集英社文庫 三田誠広 著

書く前に読もう超明解文学史(ワセダ大学小説教室) 集英社文庫 三田誠広 著

 以上三冊は、早稲田大学で教鞭をとられた三田誠広さん(芥川賞受賞者)の講義録です。ときおり毒舌がでますが、小説を書く上でためになる話がまとめられています。講義を聞いている形がとられていますので、するすると読め、理解しやすいです。また、これまで紹介してきた小説論・技術論の本とは、異なった考えが展開されており、そういう点からも面白い本だと思います。ただ、繰り返しますが、毒舌です。

高校生のための文章読本 ちくま学芸文庫 梅田卓夫 清水良典 服部左右一 松川由博 編

 高校生のためのと書かれていますが、内容もボリュームもかなりのものです。文例とその解説があり、なぜ文例がそのような書かれ方をしているのかという、一定の理解が得られる本です。

 

その他の本の紹介

あの名作小説を面白く読む方法 角川文庫 三宅香帆 著

 世間で名作と言われている小説、読んでみてもよくわからない。そんな経験、一度や二度ではないはずです。ではどうすれば理解できるのか、小説読解のヒントが書かれている本です。逆に創作する側に立てば、この本の内容を押さえて書ければ、読み手に面白く思わせることができるかもしれません。

考具 TBSブリタニカ 加藤昌治 著

 小説を書こうとしてもそもそもアイディアが湧いてこない。そういうことで困ってはいませんか。考えるための方法を知れば、アイディアが湧く手助けとなるかもしれません。

現代日本の場面設定辞典 KANZEN 株式会社ライブ 編著

 小説の場面設定が思いつかない、私が書く文章にはいつも喫茶店が登場してしまう。そんな悩みもあると思います。けれど、物語の材料になる場面は、探せばこんなにも沢山ある。それを紹介してくれる辞典です。マンネリを打破する手助けにどうぞ。

THE ART SPIRIT 国書刊行会 ロバート・ヘンライ 著 野中邦子 訳

 美術に関する本ですが、創作全般に通じます。作品を書いていてスランプに陥ったり、自分なんて……と思ってしまうこともあると思います。そんな落ち込んだ心さえも燃え立たせてくれる本です。目覚めよ、芸術魂!

発想力を鍛える33の思考実験 彩図社 北村良子 著

100の思考実験 紀伊国屋書店 ジュリアン・バジーニ 著 向井和美 訳

倫理問題101問 ちくま学芸文庫 マーティン・コーエン 著 榑沼範久 訳

 この三冊は、人生のジレンマの例を紹介し読み手に考えさせる本です。価値観を揺さぶるジレンマを自分の作品に組み込んでみてはいかがでしょうか。